研究テーマ

ナノ構造で効率的にエネルギーを創る

グリーンフォトニクス研究分野では、金属ナノ構造による高性能な光アンテナの研究や、それを太陽電池や水を光分解して酸素や水素を発生する人工光合成系に展開する研究を進めている。
元来、光と物質との相互作用はそれほど強くなく、光を有効に利用するデバイスの開発、およびその方法論の確立が求められている。本研究分野では、局在プラズモン共鳴を示す金属ナノ構造が、可視光や赤外光を捕集する光アンテナになることを見出し、光と分子や物質との相互作用を強くできる「場」を創ることに成功した。これにより、極めて少ない物質量でエネルギー変換を可能にする太陽電池など、様々な分野に応用が期待される。
また、本研究分野で開発を行っている光電変換システムは、水を電子源として動作していることが明らかになっており、可視・近赤外光照射に基づいて水の酸化的分解により酸素が発生することが確認された。本システムの更なる原理解明に向けて、光アンテナから半導体電極への電子移動過程の追跡など、超高速時間分解分光・イメージング計測にも取り組んでいる。さらに、本系を用いて水の光分解やエネルギーキャリアとして注目されるアンモニアの合成を窒素の光固定により可能にする人工光合成系の開発に関する研究も行っている。

研究テーマ

  • 近赤外太陽電池・人工光合成
  • フェムト秒レーザー加工
  • フォトニック結晶

近赤外太陽電池・人工光合成

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波長800-1100 nmの近赤外光は、生体を透過しやすいことで知られています。我々は、近赤外光を捕集・濃縮することが可能なナノメートルサイズの光アンテナ(金属ナノ構 造)を搭載した太陽電池を開発し、体外よりエネルギー供給できる生体内埋め込み型太陽電池の開発を目指しています。また、本システムを用いた新たな研究展 開として、近赤外光照射による水の完全分解(水素・酸素発生)や炭酸ガスの固定など、人工光合成系への応用も視野に入れて研究を進めています。

フェムト秒レーザー加工

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集光フェムト秒レーザーが作り出す高光子密度状態においては、多光子吸収などの非線形光学現象や、トンネルイオン化などの量子現象が容易に観測されます。 これを利用し、光の回折限界以下の分解能で透明材料の表面を損傷させることなく内部のみを加工し、3次元メモリーやフォトニック結晶、そしてマイクロチャ ンネルチップを作製する3次元超加工の研究を行っています。また、シリコンなどの半導体や、ステンレススチールなどの金属、サファイア単結晶などのセラ ミックスの加工についても検討しています。

フォトニック結晶

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半導体加工技術やアルミニウムの陽極酸化によりフォトニック結晶(2次元)と呼ばれる光を閉じ込めることができるサブミクロンオーダーの周期構造を作製 し、その光学的特性を評価しています。さらに、より光を閉じこめられる3次元フォトニック結晶を高分子微粒子の自己組織化やフェムト秒レーザー加工によっ て作製するとともにその光学的評価も行っています。これらの様々なフォトニック結晶を用いて新しい光導波路構造、微小レーザー共振器、光化学反応場の構築 を行っています。



Last updated: 2019/10/25